トイレの鍵が壊れて閉じ込めに!間一髪窓から脱出!!の巻

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私の勤務先は名前を言えば誰もが知っているであろう都市銀行です。しかし歴史が古いだけあり、私が若い頃勤めていた本社ビルはすごく古く、その当時は色々不便な思いをしました。今ではそこに新しいビルが建っていますが、旧本社ビルで経験した、ちょっとドキドキした思い出をお話ししましょう。

それは夏の暑い時期の話です。旧本社ビルは全館冷房で、夜の7時を過ぎると一斉にエアコンが止まってしまいます。よっぽどの残業がある場合は各部署についている小さなエアコンを使用しますが、天井が高く広いオフィスフロアで効くはずもなく、夏場の残業はちょっとした地獄。だから夏場は残業を極力しないようにしていました。しかしその日はどうしても片づけてしまわなければいけない仕事があり、10時近くまで残っていました。10時を過ぎると従業員出入り口のシャッターが閉まってしまうため、その時間に合わせ退席し、トイレに寄ってから帰社しようとしました。

ところが、使用したトイレの鍵が壊れていて、私はトイレの個室に、取り残されてしまいました。いつもは個室なんて使いませんので、なんという間の悪さでしょう。焦れば焦る程、鍵はしっかりかかってしまうようです。全館冷房が止まり蒸し風呂状態の中、10時を過ぎたらこの建物からも出られなくなってしまいます。電気が止まり蒸し風呂状態の社内に取り残されたら、私は熱中症で死んでしまうのではないでしょうか。そう思うとパニックになり、私は大声を出して助けを呼んでみたり、ドアを叩いたりしました。しかし、誰も助けに来てはくれません。

ドアの鍵にばかり気を取られていた私は、反対側に窓があることに気が付きました。窓ガラスは網入りで外部の様子は見えませんでしたが、鍵を開け窓ガラスを斜めにスライドさせると、なんとか外に出られそうです。そこで私は覚悟を決め、洋式便器を足場にして、トイレの窓から間一髪、脱出することができたのです。